【使用画材】
膠・墨・和紙・絹・天然岩絵具.裏打ち糊.紙
各々が一つとなり一本の強いお軸となる
如何にして強く
日々考察精進
【膠】
1)日本列島は縦に長いことから北国に納める作品にはエゾシカ膠で墨を造りたいと考えている。
2)現在市販(画像2.右上.下)の膠は一度、皮製品に加工されたものを再度煮出して造る為、薬品により悪材料の補填をしてきた。
某所の膠(画像2.左上.下)は牛皮をそのまま煮出し薬品を使用せず作ったもので、従来の膠と比べて粘度も高く滑かで顔料の伸び.発色.共に素晴らしいと感じた。また金泥を焼きつけ溶いた時の強さ.発色も素晴らしかった。画像では判りにくいが左右同時に手に取った場合 透明感.光沢.しなやかさ全てにおいて左が勝っていた。
某所の膠で墨を造りたいとの願いを快く引き受けて下さった奈良古梅園様のご協力で商品化され「浄瑠璃」「多聞」と名を付けた。
【墨】
平成26年作成の墨
1「淨瑠璃(青墨)」2「多聞(黒墨)」
試作結果
試作品.1淨瑠璃を絹本彩色に使用した。
1を面塗り乾燥後、塗り重ねた際、下の墨が色落ちした為、やむを得ず全て洗い取った。
その後、五年間 暫くの時間経過をみて、
数回試したが同様の結果となった。
これは私見であるが当初から膠制作過程に、石灰(カルシウム)を薬品と考え投入しない事に疑問があった。
某所の膠で溶いた胡粉(カルシウム)を絹に塗り乾燥後、修正箇所を洗い流す為、100度の熱湯を入れた筆洗を何度も変えながら刷毛で洗い落としたのだが最終的に何時間もの時間を要した。これは過去40年間で使用した膠には無かった事である。また古梅園様の他製品の中にも色落ちした墨は過去になかった。
下記 奈良吉野和紙制作過程に於いては、白土(カルシウム)は薬品とは考えず必要不可欠なものとして投入されている。福西本舗の先代 福西弘行氏は「吉野の和紙は代々、この吉野山で採れる白土を入れるからこそ、どんな和紙よりもしなやかなで強い和紙となるのだ」と 真白で美しい白土を宝物のように見せて下さった。
以上から膠制作過程にセッカイを使用する事は和紙制作同様、素材の中和と安定に必要不可欠なのではないか.と考えている。
また他に考えられる事例があれば知りたい。
....【墨】は令和2年12月22日追記....
【和紙】
奈良吉野和紙 福西本舗製の草木染め和紙
国宝修復には欠かせない和紙であり薬品は使用しない為〈奈良吉野山採取白土使用(カルシウム=素材中和と防虫効果有)〉紙を切り裂いた時、健全で長い繊維毛足が残る、それは他に類がない。その強さとしなやかさは「千年保つ和紙である」と考えられている。
【絹】
光ある玉よりも なお曇りなき 人の心ぞ 尊かりなれ〈宏海照明〉